第3話 国の卑劣な行為
「あ……ああ、あああああッ!!!」
最後の一際激しい絶叫とともに、脳を割るような激痛がピークに達した。
ピキィン、と頭の奥で何かが弾ける感覚。
その瞬間、Bのどす黒い気配が潮が引くように脳の底へと沈んでいき――代わりに、温かく、見慣れた光が肉体に満ちていく。
「はっ……、ひゅ……っ!」
激しい呼吸とともに、その目に宿ったのは、間違いなく本来の「ぼうぼん」の意識だった。
凄まじい頭痛の余韻に視界を激しく揺らしながらも、ぼうぼんは自分がしでかした(Bがしでかした)状況を必死に把握しようとする。
目の前には、首を押さえて地面にへたり込み、激しく咳き込んでいる弟の姿。
「ミニ……っ!!」
ぼうぼんは、まだガクガクと震える自分の両手を見つめた。この手が、実の弟の首を絞め、命を奪おうとしていた。その恐ろしい事実に全身の血の気が引いていく。
「ミニ、大丈夫か……!? ぼくだ、ぼうぼんだ! すまない、すまない……っ!」
涙を流しながら、ぼうぼんは這いつくばるようにしてミニに駆け寄り、その小さな体を抱きしめた。
「ぼう……ぼん……?」
ミニが弱々しく見上げる。その首には、痛々しい赤黒い手跡が残っていた。
人格を取り戻したものの、内に眠る「B」という悪魔の存在に、ぼうぼんは激しい恐怖と絶望を感じずにはいられなかった。
「お前が拒むというのなら、我が国の法に従い、処刑とする」
ぼうぼんの前に突きつけられたのは、あまりにも残酷な祖国からの『絶対命令』だった。
平和を取り戻したかに見えた兄弟の元に、ぼうぼんの国の上層部から秘密裏に下された指令――それは、「ミニの親友(友達)を、お前の手で暗殺せよ」というものだった。
「そんなこと……できるわけがない! あいつはミニの大切な友達なんだ!」
ぼうぼんは激しく机を叩き、拒絶の叫びを上げた。
だが、冷酷な国の使者は表情一つ変えず、劉のような淡々とした口調で告げる。
「その『友達』の存在は、いずれ我が国の重大な脅威となる。これは決定事項だ。……もしお前がやらないと言うのなら、お前の中の『B』を強制的に呼び覚まし、奴にやらせるだけのこと」
「っ……!?」
ぼうぼんの全身に、冷たい戦慄が走った。
国は最初から知っていたのだ。ぼうぼんの中に眠る、あの冷徹で圧倒的な暗殺者の人格『B』の存在を。そして、それを利用しようとしている。
もし自分が命令を断れば、国は無理やりBを引きずり出し、Bの手によってミニの友達は殺される。それだけでなく、目覚めたBは再びミニの命すら脅かすかもしれない。
しかし、命令に従えば、自分の手で弟の大切な人の命を奪うことになる。
どちらを選んでも地獄。
ぼうぼんは、かつてない究極の選択を迫られていた――。
追蹤《ぼうぼんマンガ》
有新章節時,會在通知和我的書架提醒你。

留言 0 則留言
還沒有人留言,來當第一個吧。