— 設定はもう矛盾しない —

世界観設定シートのテンプレート

場所・組織・アイテム・種族をタイプ別に整理し、説明・歴史・ルールを漏れなく——どれだけ大きな世界観もきちんと整います。

このテンプレートをオンラインで使う

世界観設定シートは、場所・組織・アイテム・種族をタイプ別に整理してまとめる一枚の表です。ファンタジーで一番怖いのは、書き進むうちに設定同士が食い違うこと。この街は東なのか西なのか、魔法に代償はあるのかないのか——矛盾した瞬間、読者は物語から醒めてしまいます。このテンプレートは「タイプ」でまとめて分類し、説明・歴史・ルールの項目を漏れなく埋められて、オンラインで使えば設定同士をつなげることもできます。

テンプレートプレビュー

世界観設定シートの項目の記入例

項目 記入例
名称 霧隠城
タイプ 場所
説明 崖の上に築かれた港町。一年中濃い霧に包まれ、灯台を頼りに航行する
歴史 三百年前に海賊が築き、のちに王国に編入され辺境防衛の要塞となった
ルール 日没後は城門が閉ざされ、霧の中で火を焚くのは禁止(霧獣を呼び寄せるため)
関連 主人公の故郷。「灯台守護者ギルド」「霧獣」と関連

項目の解説

上の表は、設定を 1 件ずつ登録するためのフォーマットです。「そもそも何を決めるべきか」で手が止まっているなら、下の 26 項目チェックリストから。8 つのブロック構成で、必要なブロックだけ使えます。ブロックの最後に「物語に関係ないなら飛ばす」目安を添えています。

地理・自然

項目 何を書くか 記入例
舞台の広さ 一つの町で完結するか、大陸を移動するかを決める。広いほど決める量が増える。 王国の辺境、港町ひとつと周辺の海域。王都は名前だけ出る
気候と季節 季節が何回あるか、極端な天候があるかを決める。日常描写の土台になる。 一年中濃霧。冬に「霧が晴れる七日間」がある
地形と移動手段 山・海・川がどこにあり、人がどう移動するかを決める。日数の感覚が定まる。 崖の上の町。船が主な交通手段、王都まで陸路で十二日
資源 何が採れて何が採れないかを決める。採れないものは交易か争いの種になる。 魚と塩は余るほど、木材と鉄は本土から買う

歴史

項目 何を書くか 記入例
起源の出来事 国・町・組織が「なぜそこにあるか」を一行で書く。 三百年前に海賊が築いた砦が始まり
直近の大事件 物語の 10〜50 年前に起きた、今も人々が引きずっている出来事を書く。 二十年前の「霧獣の夜」で町の三分の一が消えた
語られない歴史 公式の歴史と、本当にあったことの差を書く。伏線の置き場になる。 霧獣の夜は「事故」とされているが、灯台の火を消したのは人間

政治・権力

項目 何を書くか 記入例
統治の形 誰が決めるかを書く。王・議会・長老・ギルドなど。 王国の直轄領だが、実権は「灯台守護者ギルド」にある
法と罰 何が罪で、罰は何かを書く。物語で誰かが破るルールを一つ決める。 日没後の火は禁止。破れば追放
軍と治安 誰が武器を持てて、誰が守るかを書く。 王国軍は駐屯せず、ギルドの見回りだけ
権力者と反対勢力 今のトップと、それを引きずり下ろしたい側を書く。 ギルド長 vs 火を取り戻したい漁師たち

社会・生活

項目 何を書くか 記入例
身分と階級 生まれで決まるか、変えられるかを書く。 灯台守の家系が上、漁師が下。婚姻で上がれる
家族・結婚のかたち 誰と誰が家族になれて、家をどう継ぐかを書く。 長子相続。灯台守は他家と婚姻しない
衣食住の標準 普通の人が何を着て、何を食べ、どこに住むかを書く。 魚と海藻の汁物。石造りの家。油の匂いが染みた外套
教育と識字 誰が字を読めるかを書く。手紙・本・掲示が物語で使えるかどうかが決まる。 ギルド員だけが読み書きできる

経済・技術

項目 何を書くか 記入例
通貨と物価の基準 通貨の名前と、パン一つの値段を決める。これがあると金額描写がぶれない。 王国銀貨。パン一つ=銅貨二枚、灯台油一壺=銀貨一枚
主要産業と流通 何で食べていて、何を外から買うかを書く。 塩と干し魚を売り、鉄と木材を買う
技術水準 照明・医療・通信の三つを決めると、時代感が固まる。 油ランプ。医者は町に一人。手紙は船便で往復ひと月

魔法・異能

項目 何を書くか 記入例
何ができるか 能力の範囲を書く。「できないこと」を先に決めるほうが早い。 霧を薄くできる。晴らすことはできない
代償と限界 使うと何を失うかを書く。代償のない力は物語を壊す。 使うたびに視力が落ちる
使える人と社会の扱い 誰が使えて、周りはそれをどう見るかを書く。 灯台守の血筋のみ。敬われるが、結婚相手には避けられる

宗教・信仰

項目 何を書くか 記入例
信仰対象と教義 何を拝み、何を禁じるかを書く。 灯台そのものを神体とする。火を粗末にするのが最大の禁忌
宗教と権力の距離 教えと政治が同じか、対立しているかを書く。 ギルドが神官を兼ねる

言語・名前

項目 何を書くか 記入例
言語の数と共通語 何語があり、誰が何語を話すかを書く。通訳が要る場面があるかが決まる。 王国語のみ。漁師言葉に独特の訛り
人名の規則 姓があるか、名前は何に由来するか、命名の順序を決める。 灯台守の家は「灯」の字を名に入れる。漁師に姓はない
地名・固有名詞の音 硬い音か柔らかい音かを決める。統一すると「同じ世界」に聞こえる。 地名は漢字二文字(霧隠・灯崎)、船の名前はひらがな

コピペ用テキスト

メモアプリや note の下書きに貼り付けて使える、項目名のみの一覧です。

■ 地理・自然
舞台の広さ:
気候と季節:
地形と移動手段:
資源:

■ 歴史
起源の出来事:
直近の大事件:
語られない歴史:

■ 政治・権力
統治の形:
法と罰:
軍と治安:
権力者と反対勢力:

■ 社会・生活
身分と階級:
家族・結婚のかたち:
衣食住の標準:
教育と識字:

■ 経済・技術
通貨と物価(パン一つの値段):
主要産業と流通:
技術水準(照明・医療・通信):

■ 魔法・異能
何ができるか:
代償と限界:
使える人と社会の扱い:

■ 宗教・信仰
信仰対象と教義:
宗教と権力の距離:

■ 言語・名前
言語の数と共通語:
人名の規則:
地名・固有名詞の音:

書き始める前に決める最小セット(7 項目)

26 項目をすべて決めてから書き始めようとすると、なかなか筆が進みません。最初に決めるのはこの 7 つだけで十分です。残りは執筆中に必要になった段階で戻って埋めてください。

  • 舞台の広さ
  • 統治の形
  • 身分と階級
  • パン一つの値段
  • 技術水準(照明・医療・通信)
  • 魔法の代償(魔法があるなら)
  • 人名の規則

飛ばす目安

  • 舞台が現代日本なら、この 4 項目は設定不要です。
  • 登場人物が全員同じ階級なら、「身分」は一行で十分です。
  • 魔法のない世界観なら、このブロックは丸ごと不要です。

このテンプレートの書き方

世界観づくりで一番怖いのは、書く量が足りないことではなく、あちこちに書き散らして前後が合わなくなることです。この街は東なのか西なのか?この魔法には代償があるのか、ないのか?設定が矛盾した瞬間、読者はすぐ物語から醒めてしまいます。しかもこの手のミスは、書いている途中でようやく気づくことが多く、あとから直すのは本当に骨が折れます。

「タイプ」で設定を分類してまとめるのが肝心です。場所・組織・アイテム・種族・ルールをそれぞれのカテゴリーに振り分けておけば、探すときに速い。設定ごとに、少なくとも「説明」と「ルール」の二項目は埋めておくのがおすすめです。説明はどんな見た目でどんな雰囲気か、ルールはあなたの世界における動かせない制約(魔法の代償、組織のタブー、場所の特性)。物語を本当に引き締めるのは、このルールのほうです。

「歴史」欄は、ファンタジー作家がもっとも見落としがちで、しかも世界に厚みを与えてくれる場所です。なぜこの街はこうなったのか、なぜこの組織は別の組織と反目しているのか——その背後の歴史をすべて本文に書き込む必要はありませんが、自分の中では明確にしておくべきです。そうでないと、衝突を書く段になって動機が成り立たないと気づくことになります。

「関連」欄は設定同士をつなげてくれます——この街はどの組織とつながっているのか、このアイテムはどの種族に崇拝されているのか。世界観は孤立した項目の寄せ集めではなく、一枚の網です。関連をはっきり書き込むほど、執筆中に奥行きのある背景を自然に引き出せます。まずは中心となる場所と組織をいくつか作れば書き始められます。あとは書きながら育てていきましょう。

4ステップでテンプレート完成

設定のタイプを決める

まず管理したいものを分類しましょう——場所・組織・アイテム・種族・ルール。まとめて分けておくと、あとで探すのが格段に速くなります。

説明を書いてトーンを決める

設定ごとに説明を一段書きましょう。どんな見た目で、どんな雰囲気を与え、世界の中でどんな役割を担うのかをはっきりさせます。

動かせないルールを決める

ルール欄を埋めましょう——魔法の代償、組織のタブー、場所の特性。こうした制約こそが、物語を本当に引き締めてくれます。

設定同士をつなげる

設定同士の関係を書き込んで、世界観を一枚の網につなげましょう。執筆中も、奥行きのある背景を自然に織り込めるようになります。

自分で表を作りたくない?LitMemo でそのまま作る

このテンプレートは LitMemo の以下の機能に対応。オンラインで記入すれば自動で相互にひも付きます:

よくある質問

世界観はどこまで作れば書き始められますか?
冒頭3話で使う分があれば十分で、残りは書きながら足していきます。世界観をすべて作り終えてから書き始めようとする人は、たいてい設定を作る段階で止まってしまいます。
現実を舞台にした作品にも世界観設定シートは必要ですか?
必要ですが、記録する対象が異なります。現実舞台の作品で書き留めておくべきなのは「あなたが手を加えた箇所」——架空の企業、改変した地名、存在しない学科などです。後から設定の矛盾が生じやすいのは、まさにそうした部分だからです。
設定をたくさん書いたのに使いませんでした。無駄だったのでしょうか?
無駄ではありませんが、作り込みすぎないようバランスを意識しましょう。本文に書かれなかった設定の価値は、展開の判断に迷ったときに「どこまでが許容範囲か(境界線)」を作者自身が把握できる点にあります。その設定が存在すること自体を自分でも思い出せないなら、それこそが無駄になってしまいます。
魔法や能力体系のルールはどこまで厳密に決めますか?
「代償」と「できないこと」はガチガチに固め、残りは柔軟に余白を残しておきます。読者は仕組みや原理が説明されていないことには文句を言いませんが、ピンチの場面で主人公に突然都合よく能力が増えることには納得しません。
26 項目と上の登録表(名称/タイプ/説明…)はどう使い分けますか?
26 項目は「世界のルールを決める」段階、登録表は「決めたものを 1 件ずつ保存する」段階です。チェックリストで「灯台守護者ギルド」が必要だとわかったら、それを登録表に 1 件追加して書き込む、という順番になります。
紙の空欄より、オンラインで一記入

ダウンロード不要、オンラインでそのまま使える

登録不要で記入開始。キャラクター・伏線・話と自動でひも付きます