世界観設定シートのテンプレート
場所・組織・アイテム・種族を種類別に整理し、説明・歴史・ルールを漏れなく書き込めます。どれだけ大きな世界観もすっきり整います。
登録なしで設定カードを作る世界観設定シートは、物語の世界の場所・組織・アイテム・種族・ルールを1件ずつ登録して整理する表です。このページには、1件ずつ書き込む登録表、地理・歴史・政治・社会・経済・魔法・宗教・言語の26項目チェックリスト、メモアプリやノートに貼れるコピペ用テキスト、ひとつの港町を5件の設定で書いた記入例があります。小説・漫画・TRPGの創作にそのまま使えます。
テンプレートプレビュー
世界観設定シートの項目の記入例
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 名称 | 霧隠 |
| 種類 | 場所 |
| 説明 | 崖下の港と、崖の上の城壁に囲まれた町からなる港町。一年中濃い霧に包まれ、船は灯台を頼りに出入りする |
| 歴史 | 三百年前に海賊が築き、のちに王国に編入され辺境防衛の要塞となった |
| ルール | 日没後は城門が閉ざされ、霧の中で火を焚くのは禁止(霧獣を呼び寄せるため) |
| 関連 | 主人公の故郷。「灯台守ギルド」「霧獣」と関連 |
項目の解説
上の表は、設定を1件ずつ登録するためのフォーマットです。「そもそも何を決めるべきか」で手が止まっているなら、下の26項目チェックリストから。8つのブロックに分かれていて、必要なブロックだけ使えます。物語に関係しない項目の見分け方は、後ろの「飛ばす目安」にまとめています。
地理・自然
| 項目 | 何を書くか | 記入例 |
|---|---|---|
| 舞台の広さ | 一つの町で完結するか、大陸を移動するかを決める。広いほど決める量が増える。 | 王国の辺境、港町ひとつと周辺の海域。王都は名前だけ出る |
| 気候と季節 | 季節が何回あるか、極端な天候があるかを決める。日常描写の土台になる。 | 一年中濃霧。冬に「霧が晴れる七日間」がある |
| 地形と移動手段 | 山・海・川がどこにあり、人がどう移動するかを決める。日数の感覚が定まる。 | 崖の上の町と崖下の港。船が主な交通手段で、王都まで陸路で十二日 |
| 資源 | 何が採れて何が採れないかを決める。採れないものは交易か争いの種になる。 | 魚と塩は余るほど、木材と鉄は本土から買う |
歴史
| 項目 | 何を書くか | 記入例 |
|---|---|---|
| 起源の出来事 | 国・町・組織が「なぜそこにあるか」を一行で書く。 | 三百年前に海賊が築いた砦が始まり |
| 直近の大事件 | 物語の10〜50年前に起きた、今も人々が引きずっている出来事を書く。 | 二十年前の「霧獣の夜」で町の三分の一が消えた |
| 語られない歴史 | 公式の歴史と、本当にあったことの差を書く。伏線の置き場になる。 | 霧獣の夜は「事故」とされているが、灯台の火を消したのは人間 |
政治・権力
| 項目 | 何を書くか | 記入例 |
|---|---|---|
| 統治の形 | 誰が決めるかを書く。王・議会・長老・ギルドなど。 | 王国の直轄領だが、実権は「灯台守ギルド」にある |
| 法と罰 | 何が罪で、罰は何かを書く。物語で誰かが破るルールを一つ決める。 | 日没後に屋外で火を灯すのは禁止。破れば町から追放 |
| 軍と治安 | 誰が武器を持てて、誰が守るかを書く。 | 王国軍は駐屯せず、ギルドの見回りだけ |
| 権力者と反対勢力 | 今のトップと、それを引きずり下ろしたい側を書く。 | ギルド長 vs 火を取り戻したい漁師たち |
社会・生活
| 項目 | 何を書くか | 記入例 |
|---|---|---|
| 身分と階級 | 生まれで決まるか、変えられるかを書く。 | 灯台守の家系が上、漁師が下。ギルドの徒弟になれば上がれる |
| 家族・結婚のかたち | 誰と誰が家族になれて、家をどう継ぐかを書く。 | 長子相続。灯台守は灯台守の家どうしでしか結婚しない |
| 衣食住の標準 | 普通の人が何を着て、何を食べ、どこに住むかを書く。 | 魚と海藻の汁物。石造りの家。油の匂いが染みた外套 |
| 教育と識字 | 誰が字を読めるかを書く。手紙・本・掲示が物語で使えるかどうかが決まる。 | ギルド員だけが読み書きできる |
経済・技術
| 項目 | 何を書くか | 記入例 |
|---|---|---|
| 通貨と物価の基準 | 通貨の名前と、パン一つの値段を決める。これがあると金額描写がぶれない。 | 王国銀貨。パン一つ=銅貨二枚、灯台油一壺=銀貨一枚 |
| 主要産業と流通 | 何で食べていて、何を外から買うかを書く。 | 塩と干し魚を売り、鉄と木材を買う |
| 技術水準 | 照明・医療・通信の三つを決めると、時代感が固まる。 | 油ランプ。医者は町に一人。手紙は船便で往復ひと月 |
魔法・異能
| 項目 | 何を書くか | 記入例 |
|---|---|---|
| 何ができるか | 能力の範囲を書く。「できないこと」を先に決めるほうが早い。 | 霧を薄くできる。晴らすことはできない |
| 代償と限界 | 使うと何を失うかを書く。代償のない力は物語を壊す。 | 使うたびに視力が落ちる |
| 使える人と社会の扱い | 誰が使えて、周りはそれをどう見るかを書く。 | 灯台守の血筋のみ。敬われるが、ほかの家からは縁談を避けられる |
宗教・信仰
| 項目 | 何を書くか | 記入例 |
|---|---|---|
| 信仰対象と教義 | 何を拝み、何を禁じるかを書く。 | 灯台そのものを神体とする。火を粗末にするのが最大の禁忌 |
| 宗教と権力の距離 | 教えと政治が同じか、対立しているかを書く。 | ギルドが神官を兼ねる |
言語・名前
| 項目 | 何を書くか | 記入例 |
|---|---|---|
| 言語の数と共通語 | 何語があり、誰が何語を話すかを書く。通訳が要る場面があるかが決まる。 | 王国語のみ。漁師言葉に独特の訛り |
| 人名の規則 | 姓があるか、名前は何に由来するか、命名の順序を決める。 | 灯台守の家は「灯」の字を名に入れる。漁師に姓はない |
| 地名・固有名詞の音 | 硬い音か柔らかい音か、どの実在の言語の響きに寄せるか(ドイツ語風、和風など)を国ごとに決める。統一すると「同じ世界」に聞こえる。 | 地名は漢字二文字(霧隠・灯崎)、船の名前はひらがな |
コピペ用テキスト
メモアプリや note の下書きに貼り付けて使える、項目名のみの一覧です。
■ 地理・自然 舞台の広さ: 気候と季節: 地形と移動手段: 資源: ■ 歴史 起源の出来事: 直近の大事件: 語られない歴史: ■ 政治・権力 統治の形: 法と罰: 軍と治安: 権力者と反対勢力: ■ 社会・生活 身分と階級: 家族・結婚のかたち: 衣食住の標準: 教育と識字: ■ 経済・技術 通貨と物価(パン一つの値段): 主要産業と流通: 技術水準(照明・医療・通信): ■ 魔法・異能 何ができるか: 代償と限界: 使える人と社会の扱い: ■ 宗教・信仰 信仰対象と教義: 宗教と権力の距離: ■ 言語・名前 言語の数と共通語: 人名の規則: 地名・固有名詞の音: ■ 早見表(作品全体で統一するもの) 暦と時間の呼び方: 距離・重さの単位: 通貨の単位: 敬称と一人称の使い分け:
書き始める前に決める最小セット(7項目)
26項目をすべて決めてから書き始めようとすると、なかなか筆が進みません。最初に決めるのはこの7つだけで十分です。残りは執筆中に必要になった段階で戻って埋めてください。
- 舞台の広さ
- 統治の形
- 身分と階級
- パン一つの値段
- 技術水準(照明・医療・通信)
- 魔法の代償(魔法があるなら)
- 人名の規則
飛ばす目安
- 舞台が現代日本なら、「地理・自然」の4項目は現実のままで構いません。
- 登場人物が全員同じ階級なら、「身分」は一行で十分です。
- 魔法のない世界観なら、「魔法・異能」のブロックは丸ごと不要です。
記入例:霧隠の港町を5件の設定で書く
同じ世界の設定を、種類ごとに1件ずつ書いた例です。「関連」の欄で5件がつながっているのを見てください。
- 場所|霧隠:西の海岸の崖の上にある港町。一年中濃い霧に包まれ、船は灯台の光を頼りに入港する。三百年前に海賊が築き、のちに王国の辺境の要塞になった。関連:灯台守ギルド、霧獣、灯火の掟
- 組織|灯台守ギルド:町の灯台をすべて管理する。表向きは航路を守る組織だが、入港の案内料で港の交易を押さえ、王国の代官より強い力を持つ。関連:霧隠、青灯、灯火の掟
- アイテム|青灯(あおび):ギルドの工房で作る真鍮のランプ。青い炎が濃い霧を貫く。町じゅうで百に満たず、すべてギルドが持っている。関連:灯台守ギルド、霧獣、灯火の掟
- 種族(魔物)|霧獣:霧の中で人を襲うと信じられている巨大な鳥。実際には二十年前の「霧獣の夜」以降は一度も現れておらず、その後の目撃はギルドの者が化けたもの。関連:灯火の掟、灯台守ギルド
- ルール|灯火の掟:日没後、屋外で火を灯すのは禁止。ギルドの青灯だけが例外で、破った者は町から追放される。表向きの理由は「火が霧獣を呼ぶから」。実際には、夜に港を出入りする船はギルドの案内人を雇うしかなくなる。関連:霧獣、青灯、灯台守ギルド
5件を書いた時点で、物語の対立が表の中に出ています。ギルドは怪物の言い伝えと一つの掟で商売を守っている。主人公が追放された灯台守の娘なら、目的も敵もこの表から生まれます。
ノートやスプレッドシートで使うとき
紙のノートやExcel、Googleスプレッドシートで世界観設定をまとめる場合は、次のように分けると見返しやすくなります。
- ノートなら、見開き1ページに設定1件。左ページに名称・種類・説明、右ページにルール・歴史・関連を書くと、後から書き足す余白が残ります
- スプレッドシートなら、種類ごとにシートを分ける(場所・組織・アイテム・種族・ルール)
- 長い説明は「説明」の列にまとめ、ほかの列は短く書く
- 「関連」の列にはほかの設定の名称だけを書く。あとで検索すれば、どの設定から言及されているかを探せます
- 歴史の欄に出てきた出来事は別の「年表」シートに並べ、通貨・暦・敬称は「早見表」シートにまとめる
紙や表計算では、1つの欄に1つの状態しか書けません。第50話で滅びる組織や、持ち主が三度変わるアイテムは、備考で追いかけることになります。設定が100件を超えて互いに絡み合うと、どれとどれがつながっているかも一目では見えにくくなります。
このテンプレートの書き方
世界観づくりで一番怖いのは、書く量が足りないことではなく、あちこちに書き散らして前後が合わなくなることです。この街は東なのか西なのか?この魔法には代償があるのか、ないのか?設定が矛盾した瞬間、読者はすぐ物語から醒めてしまいます。しかもこの手のミスは、書いている途中でようやく気づくことが多く、あとから直すのは本当に骨が折れます。
「種類」で設定を分類してまとめるのが肝心です。場所・組織・アイテム・種族・ルールをそれぞれのカテゴリーに振り分けておけば、探すときに速い。設定ごとに、少なくとも「説明」と「ルール」の二項目は埋めておくのがおすすめです。説明はどんな見た目でどんな雰囲気か、ルールはその世界における動かせない制約(魔法の代償、組織のタブー、場所の特性)。物語を本当に引き締めるのは、このルールのほうです。
「歴史」欄は、ファンタジー作家がもっとも見落としがちで、しかも世界に厚みを与えてくれる場所です。なぜこの街はこうなったのか、なぜこの組織は別の組織と反目しているのか——その背後の歴史をすべて本文に書き込む必要はありませんが、自分の中では明確にしておくべきです。そうでないと、対立の場面を書く段になって、動機に無理があると気づくことになります。
「関連」欄には設定同士のつながりを書きます。この街はどの組織と関係があるのか、このアイテムはどの種族に崇められているのか。世界観は、一つひとつの設定が網の目のようにつながってできています。関連をはっきり書き込むほど、執筆中に奥行きのある背景を自然に引き出せます。まずは中心となる場所と組織をいくつか作れば書き始められます。あとは書きながら育てていきましょう。
4ステップでテンプレート完成
設定の種類を決める
まず管理したいものを分類しましょう——場所・組織・アイテム・種族・ルール。まとめて分けておくと、あとで探すのが格段に速くなります。
説明を書いて雰囲気を固める
設定ごとに2〜3行の説明を書きましょう。どんな見た目と雰囲気で、世界の中でどんな役割を持つのかをはっきりさせます。
動かせないルールを決める
ルール欄を埋めましょう——魔法の代償、組織のタブー、場所の特性。こうした制約こそが、物語を本当に引き締めてくれます。
設定同士をつなげる
設定同士の関係を書き込んで、世界観を一枚の網につなげましょう。執筆中も、奥行きのある背景を自然に織り込めるようになります。
組み合わせると、もっと効果的
もっと上手く書きたい?まずはこの記事から
よくある質問
世界観はどこまで作れば書き始められますか?
現実を舞台にした作品にも世界観設定シートは必要ですか?
設定をたくさん書いたのに使いませんでした。無駄だったのでしょうか?
魔法や能力体系のルールはどこまで厳密に決めますか?
26項目と上の登録表(名称/種類/説明…)はどう使い分けますか?
紙のノートやスプレッドシートでも使えますか?
今すぐオンラインで、そのまま設定カードを作れます
登録なしで始められます。あとから設定をキャラクターやエピソードとひも付けられます
