漫画ネームテンプレート(ネーム用紙・字コンテ表)
印刷して描くネーム用紙と、コマごとに画面・セリフ・アングルを書き出す字コンテ表。作画の前に、構成とヒキ・メクリの位置を決めます。
登録なしでネームを作るネームは、コマ割り・構図・セリフ・キャラクターの動きをラフな絵でまとめた漫画の設計図です。このページでは、絵の前に文字で構成を固める字コンテ(文字ネーム)表の書き方とコピー用テンプレート、印刷して使えるネーム用紙PDF(3種)、パソコンで入力できる字コンテ表(Excel)、デジタル作画用の透明な原稿枠(PNG)、1ページ分の記入例を順番に紹介します。原稿用紙のサイズは、用途別の一覧を別の記事にまとめています。
テンプレートプレビュー
字コンテ表の基本の5欄と記入例
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| ページ・コマ番号 | P5-3(5ページ目の3コマ目) |
| 画面 | 封筒を裏返す手元。差出人の名前はなく、封は赤い封蝋で閉じてある |
| セリフ | なし |
| アングル・大きさ | 手と封蝋のドアップ、真上から。小さめのコマ |
| メモ | 読者も主人公と一緒に封蝋を見る。次のコマで顔を上げさせる |
ダウンロード用の空白版
印刷して手で描くネーム用紙3種類(PDF)、パソコンで入力できる字コンテ表(Excel)、デジタル作画用の透明な原稿枠(PNG)です。PDFはブラウザで開き、印刷するときは「実際のサイズ」を選んでください(「用紙に合わせる」を選ぶと比率が変わります)。字コンテ表は基本の5欄と詳細15欄の2シートで、見出しの行は固定、A4横で印刷できます。透明な原稿枠はB4投稿用原稿用紙の原寸・600dpiで、外枠・仕上がり線・内枠を水色で引いています。CLIP STUDIO PAINTやアイビスペイントで257×364mm・600dpiのキャンバスを作り、画像を1枚のレイヤーとして読み込めば位置がそのまま合います。書き出す前にそのレイヤーを非表示にすれば、枠線は出力されません。
LitMemo なら、このままオンラインで記入できます。
登録なしでネームを作る項目の解説
自分で描くなら、上の5欄か、下の簡易版の4項目で足ります。次の項目は、原作と作画を分担するときなど、文字だけで画面を人に伝える必要があるとき向けです。必要なものだけ選んで使えます。
位置
| 項目 | 何を書くか | 記入例 |
|---|---|---|
| ページ・コマ番号 | 何ページ目の何コマ目か。コマ番号は読む順番に振ります。 | P5-3 |
| 右ページ/左ページ | 見開きのどちら側か。右綴じでは偶数ページが右、奇数ページが左。左ページの最後のコマがめくる前の最後の1コマです。 | 左ページ(奇数) |
| コマの大きさ | ページのどれくらいを使うか。小・中・半ページ・1ページ・見開き。 | 小 |
画面
| 項目 | 何を書くか | 記入例 |
|---|---|---|
| 距離 | 引き・ミドル・寄り・ドアップ。読者がキャラからどれだけ離れて見るかを決めます。 | ドアップ(手元) |
| 角度 | 目線の高さ、俯瞰、あおり、誰の目線か。 | 真上から |
| 画面の内容 | 誰が・どこで・何をしていて・どんな表情か。 | 封筒を裏返す手元。封は赤い封蝋 |
| 前のコマとのつながり | 前のコマからどれだけ時間が経ったか、キャラの左右の位置が入れ替わっていないか。 | 前のコマの直後。同じ場所 |
文字
| 項目 | 何を書くか | 記入例 |
|---|---|---|
| セリフ | 誰が、何を、どんな調子で言うか。コマに入りきらないときは、セリフを削るのが先です。 | 主人公(小声)「……誰から?」 |
| セリフの種類 | セリフ、モノローグ、ナレーション。種類でフキダシの形が変わります。 | モノローグ |
| フキダシの位置 | コマのどこに置くか。先に読ませたいものを右上に。顔や大事な絵に重ねない。 | コマの右上 |
| 効果音 | 描き文字にする音と、置く位置。 | カサ…(封筒の音)、手元の左に小さく |
流れ
| 項目 | 何を書くか | 記入例 |
|---|---|---|
| コマの役割 | 導入・つなぎ・見せゴマ・余韻。見せゴマは1ページ(見開き)に1つが目安です。 | つなぎ |
| ヒキ・メクリ | めくりたくなる問いを置くコマ(ヒキ)か、めくった直後に答えを見せる見せ場(メクリ)か。 | なし |
| メモ | 作画する人や後の自分への指示。資料、光の向き、効果線など。 | 夕方の光、手元に影 |
| キャラ・衣装の指定 | 初めて出るキャラや、衣装・髪型が変わるときに、どの設定資料を見ればいいか。作画を任せるときは、場面の頭や変わるところで書きます。 | 主人公は部屋着、髪は下ろしている |
コピペ用テキスト
メモ帳、Googleドキュメント、Wordに貼り付けて使える空白の字コンテです。コマの数だけ下にコピーして増やします。最後に、4項目だけの簡易版をつけています。
■ 作品名/話数: ■ 総ページ数: ■ この場面で読者に残したいこと: 【P_】(右ページ/左ページ) このページの見せゴマ: コマ1|大きさ: |距離: |角度: 画面: 前のコマとのつながり: セリフ(誰/種類): フキダシの位置: 効果音: コマの役割:導入/つなぎ/見せゴマ/余韻 ヒキ・メクリ:なし/ヒキ/メクリ キャラ・衣装の指定: メモ: コマ2|大きさ: |距離: |角度: 画面: 前のコマとのつながり: セリフ(誰/種類): フキダシの位置: 効果音: コマの役割:導入/つなぎ/見せゴマ/余韻 ヒキ・メクリ:なし/ヒキ/メクリ キャラ・衣装の指定: メモ: ■ 簡易版(4項目) P_-_|画面: セリフ: アングル・大きさ: メモ:
字コンテの記入例:1ページ5コマ
簡易版の4項目で1ページ書いた例です。場面:主人公が、差出人の名前のない手紙を受け取る。見開きの左ページ(5ページ目)として割ります。
- P5-1|画面:夕方のアパートの集合ポスト。買い物袋を提げた主人公がポストを開ける|セリフ:なし|アングル・大きさ:引き、目線の高さ、小さめ|メモ:場所を見せる
- P5-2|画面:ポストの中に白い封筒が1通。表には主人公の名前だけ|セリフ:主人公(モノローグ)「……誰から?」|アングル・大きさ:寄り、俯瞰|メモ:封筒だけを見せる
- P5-3|画面:封筒を裏返す手元。差出人の名前はなく、封は赤い封蝋|セリフ:なし|アングル・大きさ:ドアップ、真上から|メモ:読者も一緒に封蝋を見る
- P5-4|画面:主人公が顔を上げ、廊下の奥を見る。奥の電灯が点滅している|セリフ:主人公「誰か、いるんですか?」|アングル・大きさ:寄り、主人公の背中越し|メモ:フキダシは右上
- P5-5|画面:誰もいない廊下。床に濡れた足跡がひとつ|セリフ:なし|アングル・大きさ:引き、低い位置から|メモ:左ページ最後のコマ=ヒキ。誰の足跡かは次のページで
引き・寄り・ドアップ・寄り・引きと距離を変えているので、単調になりません。5コマ目を左下に置くと、読者がページをめくる前に最後に見るのが足跡になります。
ネーム用紙の使い方
ダウンロードできるネーム用紙は、B4の投稿用原稿用紙を70%に縮小した枠(印刷される内枠は126×189mm)を、A4に1ページずつ印刷するものです。右ページ用と左ページ用があり、メモ欄はどちらも外側(小口側)にあるので、2枚を並べると見開きになります。
- 内枠(青の破線):コマはこの枠に合わせて割り、セリフや顔は枠の中に入れます
- 仕上がり線(黒の実線):タチキリ線とも呼びます。本の大きさで、この線で断裁されます
- 外枠(灰色の破線):塗り足し。紙の端まで見せるコマ(タチキリ)は、ここまで描きます
- ノド(綴じ側):右ページは左端、左ページは右端。大事な絵やセリフを寄せないようにします
- 目盛り:内枠の縁の長い目盛りが3等分、短い目盛りが4等分と2等分。段を割るときの目安です
ミニネーム(サムネイル)用紙は、1話の流れを小さく描くための用紙です。1枚にP1(単独の左ページ)からP39までが見開きの形で並び、32ページの読み切りなら1枚に収まります。1ページの枠は小さいので、どの見開きにどの場面を置くか、見せゴマとヒキ・メクリの位置をどこにするかを決める用途に向いています。決まったら、ネーム用紙に描き起こします。
漫画原稿用紙のサイズ:投稿用と同人誌用
投稿用はB4の原稿用紙(仕上がり220×310mm・内枠180×270mm)、B5の同人誌はA4の原稿用紙(仕上がりはB5の182×257mm)を使います。描く前に、応募先や印刷所の指定を確かめてください。
用途別の一覧、新人賞の応募規定の例、デジタル原稿の解像度とピクセル数は「[漫画の原稿用紙サイズ一覧](/blog/manga-manuscript-size)」にまとめています。
LitMemoであらすじからネームを作る
字コンテの手が止まったら、そのページで起きることをLitMemoに書いてみてください。AIがコマ割り・構図・セリフの下書きを提案します。どのコマも書き直せるので、上の項目と照らし合わせて整えてから、コマごとに絵を生成できます。
このテンプレートの書き方
ネームを飛ばしていきなり下描きに入ると、描き進めてから「見せ場がページの途中に埋もれている」「セリフがコマに入らない」と気づくことがあります。ネームのうちに直せば、描き直す量はいちばん少なくてすみます。
「ページ・コマ番号」は、何ページ目の何コマ目かまで書きます。右綴じの漫画では偶数ページが右、奇数ページが左に来るので、ページ番号を見れば、そのコマがめくる前の最後のコマ(ヒキ)か、めくった直後の見せ場(メクリ)かが分かります。漫画は1ページ目が単独の左ページから始まり、2・3ページ目が最初の見開きです。「画面」には、誰が・どこで・何をしていて・どんな表情かを書きます。
「セリフ」は画面の説明とセットで書き出します。セリフの量によって、そのコマに必要な大きさが決まるからです。「アングル・大きさ」には、引き・寄り・ドアップなどの距離、俯瞰・あおりなどの角度、コマの大きさを書きます。作画を誰かに任せるときは、ここが共通の言葉になります。
「メモ」には、見せゴマ、ヒキ、場面転換の間など、コマの役割を書きます。字コンテで流れが固まったら、ネーム用紙に移して絵で描きます。
4ステップでテンプレート完成
コマに分ける
場面を、読者に見せたい瞬間ごとに区切り、ページ・コマ番号を振ります。ヒキとメクリのコマを先に決めます。
画面を書く
各コマで、誰が・どこで・何をしていて・どんな表情かを書きます。
セリフとアングルを入れる
セリフを書き、距離・角度・コマの大きさを決めます。
ネーム用紙に描く
ネーム用紙に見開き単位でコマを割り、ラフな絵とフキダシで描き起こします。
