AI小説の作り方|小説生成AIの比較とChatGPTで書くコツ
AI小説は、AIに最初から最後まで書かせる「自動生成」と、自分で書きながらAIに手伝わせる「AIと書く」の2通りで作れます。 短編やネタ試しなら、AIのべりすとや ChatGPT にお題や書き出しを渡すだけで、数秒で読める物語が出てきます。ただし何十話も続く長編をAIに任せると、話数が増えるにつれてキャラの口調が揺れ、決めたはずの設定が書き換わり、張った伏線が放置されます。AIが知っているのは、その場で渡された文章だけだからです。 長編を自分の作品として書き切るなら、設定を手元にまとめ、推敲・ネタ出し・矛盾チェックをAIに任せる分担が近道です。
「AI小説」で探されている3つのもの
「AI小説」「小説 AI」で検索すると、目的の違う3種類のページが並びます。
| 目的 | 行き先 |
|---|---|
| AIが書いた小説を読みたい | カクヨムの「AI小説」タグ、AI を使った作品の投稿サイト(あいぺんなど) |
| AIに小説を書かせたい | 自動生成型のサービス。お題やキーワード、書き出しを入れるとAIが物語を書く(AIのべりすと、AI BunCho など) |
| 自分の小説をAIと一緒に書きたい | ChatGPT・Claude・Gemini などのチャットAIや、設定を管理できる執筆ツール。物語・キャラ・構成は書き手が決め、AIは推敲、ネタ出し、整理、矛盾チェックを手伝う |
自動生成型は、思いついたネタがどんな話になるか試したいとき、短編を読み物として楽しみたいときに向いています。自分の長編を書き切りたいなら、AIは丸投げの相手より、書き手の隣に置く相棒として使うほうが効果的です。
小説に使えるAIの比較
| サービス | タイプ | 料金(日本) | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| AIのべりすと | 日本語の小説特化AI | 料金は公式サイトで確認 | 書き出しを入れて続きを書かせる。作風の違うモデルと、ラノベ風・ロマンスなどのスタイルMODを選べる |
| ChatGPT | チャットAI | 無料プランあり/App Store では Go 月額1,400円、Plus 月額3,000円 | 相談しながらプロットを詰める、推敲、設定の整理 |
| Claude | チャットAI | 無料プランあり/Pro 月額20ドル(App Store では月額3,000円) | 長めの原稿を読ませて推敲や感想をもらう。Pro 以上は「プロジェクト」に設定資料をまとめておける |
| Gemini | チャットAI | 無料プランあり/Google AI Plus 月額725円、Google AI Pro 月額2,900円 | 設定を入れた Gem を作って使い回す。Google AI Pro 以上は Google ドキュメントの中で Gemini を使える |
| AI BunCho | 物語の生成サイト | 無料プランあり(クレジットカード不要)。有料コースは初回7日間無料 | 設定やキャラクターから物語を作る。原稿の矛盾チェック機能もある |
| Sudowrite | 英語圏の小説執筆AI | 月額10ドルから(年払いで最大50%オフ)。無料体験あり | 本文はほぼどの言語でも書けるが、機能によっては英語で返ってくる |
| LitMemo | 設定管理つきの執筆ツール | 無料プランあり | 本文は自分で書き、キャラ・世界観・伏線を踏まえた相談と整合性チェックをAIに任せる |
料金は2026年10月21日時点の各社公式サイト・App Store の表示です。ChatGPT と Claude は、ブラウザから申し込む場合と App Store から申し込む場合で表示価格が変わることがあります。
選び方の目安
- 続きを自動で書かせて遊びたい → AIのべりすと。日本語の小説向けに作られていて、書き出しを入れるだけで続きが出てきます
- 相談相手や推敲役がほしい → ChatGPT・Claude・Gemini。無料プランで試してから、使う量に合わせて有料にするかを決められます
- 長編の設定を踏まえて相談したい → 設定をまとめておける場所を使う。チャットAIなら Claude のプロジェクトや Gemini の Gem、執筆ツールなら LitMemo
小説生成AIが得意なこと
次のような作業は、AIに任せても破綻しにくく、時間の節約にもなります。
- アイデアを広げる:同じ書き出しから、展開違いを三つ書いてもらい、気に入った方向を選んで続ける。
- 推敲:冗長な段落を締める、情景を足す、地の文に緊迫感を持たせる。方向を決めるのは書き手で、AIはそれに沿って直すだけなので安定します。
- 名前づくり:人名、地名、組織名、技名。世界観の雰囲気(和風ファンタジー、スチームパンク、現代もの)を伝えれば、候補をまとめて出してくれます。キャラの名前の付け方と組み合わせると選びやすくなります。
- セリフの候補出し:ここで決め台詞がほしいのに出てこない、というときに5パターンほど候補を出してもらい、気に入ったものをキャラの口調に手直しする。
- まとめ作業:十数話分をあらすじにまとめる、散らばった設定を表にする。すでにある情報を整理する作業なので、出力も安定します。
長編で小説生成AIがつまずく4つのポイント
1. 教えていないことは知らない。 キャラの年齢、魔法の代償、二つの街の距離。会話に書かれていなければ、AIはもっともらしい答えを自分で補います。もっともらしいのですが、あなたの設定ではありません。
2. 新しいチャットを開くと忘れる。 昨日は「主人公は水が苦手」と覚えていたのに、今日のチャットでは忘れている。連載を数か月続ければ、この説明し直しは何十回、何百回と起きます。しかも設定とずれた文章を書いても、AIは教えてくれません。
3. 伏線を自分からは拾えない。 第12話の鍵を第40話で回収するつもりでも、その意図をはっきり伝えなければAIには伝わりません。任せて続きを書かせると、回収への布石は置かれず、鍵の存在そのものが素通りされることさえあります。伏線の張り方は伏線テクニックにまとめています。
4. 物語の分かれ道は決められない。 特に指示をしなければ、AIは「いちばんありがちで無難な展開」を選びがちです。読者の記憶に残る展開は、たいてい無難ではないほうにあります。このキャラがここで折れるのか、踏みとどまるのか。物語を動かす選択は、キャラの生みの親である書き手にしか決められません。
長い文章を読めるようになっても、解決しない理由
いまのAIは一度にかなり長い文章を読めます。それでも、実際の執筆では次の三つの壁が残ります。
- 毎回、原稿全体を貼るのは現実的ではない。 実際に貼るのは「最新の一話」や「詰まっている数段落」になりがちで、AIはまた作品の断片しか見えない状態に戻ります。
- 読めることと、正確に使えることは別。 文章が長くなるほど、途中の一行の設定は見落とされやすくなります。
- そもそも設定が一か所にまとまっていない。 頭の中、スマホのメモ、SNSの下書き、ばらばらのテキストファイル……。設定が手元で整理できていないと、AIに読ませたくても渡すものがありません。
だから最初に手をつけるべきなのは、自分の設定を、AIにも自分にも読める形にまとめることです。
ChatGPTで小説を書くときのプロンプト例
ChatGPT・Claude・Gemini のどれでも、設定を先に渡してから、頼む作業をひとつに絞ると、AIの返答が作品の設定に沿いやすくなります。下は、書いた一話の矛盾探しを頼むときの例です(作品と人物は架空です)。
あなたは長編ファンタジー小説の編集者です。次の設定を前提に答えてください。
【作品】架空の港町を舞台にした群像劇。全40話の予定で、いま第12話。
【主人公】カサギ・ユノ(19歳)。一人称は「わたし」。敬語は使わない。海が怖い。
【世界のルール】魔法は潮の満ち引きに連動し、満潮のときしか使えない。
【現在の状況(第12話時点)】ユノは第3話で拾った錆びた鍵を持っている。灯台の扉の鍵だが、用途はまだ誰も知らない(第30話で明かす伏線)。
お願い:下に貼る第12話の原稿を読み、
1. 上の設定と矛盾している箇所
2. ユノの口調がぶれている箇所
を箇条書きで挙げてください。本文は書き直さず、指摘だけをお願いします。
うまく使うコツは3つです。
- 1回の依頼は1つの作業に絞る:「矛盾を探して、ついでに推敲もして」と重ねると、どちらも浅くなります
- 本文の書き直しより、指摘を頼む:直し方を決めるのが自分なら、文体は自分のままで残ります
- 設定は毎回同じものを渡す:新しいチャットを開いたら、同じ設定メモを最初に貼り直します。Claude のプロジェクトや Gemini の Gem に設定を入れておくと、貼り直す手間が減ります
AIで長編小説を書く5ステップ
- 先に設定を書く。 主要キャラの性格・口調・関係、世界のルールと地理を、それぞれ短い文章にしておきます。キャラクター設定シートと世界観設定シートはそのまま埋めて使えます。
- プロットは自分で決め、AIに粗を探させる。 動機が弱いところ、前後の展開で辻褄が合っていないところを指摘してもらいます。直すかどうか、テンポや余白をどう残すかは、自分で決めるのがおすすめです。
- 本文は自分で書き、詰まったときに頼る。 次の展開が浮かばないときは選択肢を並べてもらい、セリフが出ないときは候補をもらうと、手が止まる時間が短くなります。
- 一話書き終えたら推敲を頼む。 書いている最中は流れを止めずに書き切り、まとまったところでAIに見てもらうと、AIがいちばん安定している作業を活かせます。おかしな直しにもその場で気づけます。
- 数話ごとに設定と照らし合わせる。 瞳の色が変わった、時系列が前後した、といった矛盾をここで拾います。
迷ったときの判断基準はシンプルです。「AIが間違えたときに、自分ですぐ気づけるかどうか」。 すぐ気づける作業は任せてかまいません。気づくのが三か月後になりそうな作業は、自分の手元に残しておくと安心です。
執筆アプリ全体の比較は小説を書くアプリ・執筆ツール11選にまとめています。
LitMemoでAIと書くと、何が変わるか
LitMemoは長編を書く人のための執筆ツールです。役割分担はシンプルで、物語は書き手が書き、書いたことを覚えておくのはAIが受け持ちます。 本文を一冊まるごと代わりに書く機能はありません。
- キャラ、世界観、伏線、時系列(年表)をそれぞれカードとしてまとめておけて、本文中にキャラ名や用語が出てくると自動でそのカードに紐づきます
- LitMemoのAIアシスタントは、猫のキャラクター「スミ」です。スミはその作品のキャラと設定を踏まえて答えるので、毎回説明し直す必要がありません
- 整合性チェックは作品全体の原稿と設定を照らし合わせ、矛盾の可能性がある箇所を一つずつ挙げます。わざと仕込んだ展開なら「これは意図的」を押しておけば、次からは指摘されません
- キャラ本人の声を聞きたいときは、スミに「このキャラの口調で話して」と頼めます。使い方はAIなりきりで小説のセリフを書くで紹介しています
まとめ
- AI小説は「自動生成」と「AIと書く」の2通り。短編やネタ試しは自動生成、長編はAIと書く
- 小説生成AIは文章は書けても、長編を破綻なく書き切るのは苦手。原因は、AIが作品全体を知らないこと
- ChatGPT などで書くなら、設定を先に渡し、頼む作業をひとつに絞る
- 長編でAIを使うなら、先に設定をまとめ、推敲・ネタ出し・名前づくり・矛盾チェックを任せる
設定が後半で崩れてくる場合は、長編の設定管理もあわせてどうぞ。
