第2話 ぼうぼんとの戦闘
「無駄だよ。あの哀れな男は、もう私の闇の底さ。お前がどれだけ泣き叫ぼうと、二度と表には出てこない」
Bの指先に、じわりと、さらに容赦のない力が込められていく。
ミニの意識が遠のきかけた、その時だった。
「――ゥ、ガッッッ!!!」
突如、Bの肉体が激しく硬直した。
ミニの首を掴んでいた手の力が、ガクガクと不自然に震えだす。
「がはっ……!? 離せ……っ、私に逆らうな……ぼうぼんッ!」
Bは自分の右頭部を左手で狂ったように押さえつけ、激しい拒絶反応に悶絶し始めた。脳内で、強烈な地殻変動が起きている。沈めたはずの「ぼうぼん」の意識が、弟の危機を察知して、信じられない濁流となって押し寄せてきているのだ。
『ふざけるな……! ミニに……ぼくの弟に、触るなァァァ!!!』
脳裏に直接響くぼうぼんの怒号。それはまるで、脳を内側から爆破されるような激痛となってBを襲う。
「クッ……あ、あああああッ!!!」
Bは劉のような冷徹な笑みを完全に失い、獣のように咆哮した。凄まじい脳圧に耐えかね、目や鼻から血が滲み出る。肉体の主導権を巡る、1つの身体の中での、血を吐くような凄絶な奪い合い。
「ガハッ……! 認めん……私は、消えん……!」
膝を突き、地面を掻き毟りながら、B(ぼうぼん)の肉体が激しく痙攣を始める――。
「ア、ガ……ッ! ああああああッ!!!」
Bの口から、引き裂かれたような悲鳴が上がった。
劉のような冷徹な余裕は完全に吹き飛び、彼は両手で頭を抱え、地面に転がりのたうち回った。
頭蓋骨を内側から大型ハンマーで何度も叩き割られているかのような、凄まじく激しい頭痛。
脳の神経が一本ずつ焼き切れていくような激痛が、Bの意識を激しく乱す。ミニの首を絞めていた手は完全に離れ、ミニはその場に激しく咳き込みながら崩れ落ちた。
「は、離れろ……脳から、出ていけ……ぼうぼん……っ!」
Bは必死に肉体の主導権を維持しようと、こめかみに指を食い込ませる。だが、弟を救おうとするぼうぼんの怒りと執念は、Bの精神をズタズタに引き裂いていく。
「ウ、ゥ゙ッッッ……!!」
視界が激しく明滅し、Bの意識が急速に混濁していく。
一つの身体の中で起きている、あまりにも激しい人格の衝突と拒絶反応。肉体はその負荷に耐えきれず、激しく痙攣を始めていた。
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